2019.05.24
カテゴリ:さくら歯科通信
口腔機能発達不全について
平成30年の診療報酬改定を振返る第2弾の投稿です。
2.口腔疾患の重症化予防、口腔機能低下への対応、生活の質に配慮した歯科医療の推進
現在、歯科で行う管理では、むし歯と歯周病を中心とした管理となっています。一方で、近年、発達期の小児や、高齢者の口腔機能低下に対する評価や管理についての考え方が示されており、今回、診療報酬(保険)への改定の柱として新設されました。
今回は、「口腔機能発達不全症についてお伝えします。
{食べる機能」、「話す機能」、その他の機能が十分に発達していないか、正常に機能獲得ができておらず、明らかな摂食機能障害の原因疾患がなく、口腔機能の定型発達において個人因子あるいは環境因子に専門的関与が必要な状態をいいます。その状態が当たり前(常態化)しているので、自覚症状があまりない場合が多い、とされています。
いわゆる「お口ぽかん」は口腔機能発達不全症の一つです。子供の30%に認められる(近年では70%という報告もあるそうです)と言われています。
口腔機能発達不全は、全身への口腔機能発達不全症のチェックリストを上げました。
1.食べる
咀嚼機能
- ・歯の萌出に遅れがある
- ・機能的因子による歯列・咬合の異常がある
- ・咀嚼に影響するう蝕がある
- ・強く咬みしめられない
- ・咀嚼時間が長すぎる、短すぎる
- ・咀嚼時間が長すぎる、短すぎる
- ・偏咀嚼がある
嚥下機能・食行動
- ・舌の突出(乳児嚥下の残存)がみられる(離乳完了後)
- ・哺乳量・食べる量、回数が多すぎたり少なすぎたりムラがある等
2.話す
構音機能
- ・構音に障害がある(音の置換、省略、歪み等がある)
- ・口唇の閉鎖不全がある(安静時に口唇閉鎖を認めない)
- ・口腔習癖がある
- ・舌小帯に異常がある
その他
栄養 (体格)
- ・やせ、または肥満である
(カウプ指数・ローレル指数で評価)
その他
- ・口呼吸がある
- ・口蓋扁桃等に肥大がある
- ・睡眠時のいびきがある
上記以外の問題点
2つ以上に該当するものを「口腔機能発達不全症」と診断します。
当医院では、口腔機能発達不全症に関して、様々な取り組みを始めております。気になる症状がございましたら、お気軽にお問合せください。もちろん、通院中の方々にも積極的に、声をかけさせていただきます。
お口ぽかんの改善に使用する器具です。お口まわりの筋肉を鍛えます