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口腔機能低下症の保険適用は2022年4月より50歳以上へと拡大しています。

2022.09.29 カテゴリ:お知らせ, さくら歯科通信

口腔機能低下症とは

口腔内の機能(咀嚼、嚥下、構音、唾液、感覚)が低下していく症状です。
今回のさくら歯科通信は、その中で唾液についてのお話です。

私たちのお口を潤す唾液は、起きている間は常に湧き出ており、成人の場合、その量はなんと1日に1~1.5ℓといわれています。分泌量にはもちろん個人差があり、持病や服薬の影響のほか、大人と子どもでも分泌量は異なります。

唾液腺について

お口の中には唾液腺という器官が存在し、そこから唾液が分泌されます。唾液腺は水を含ませたスポンジを入れた袋に、ストローを刺したような構造をしています。
スポンジの水分(唾液)が、袋(腺)から押し出されてストロー(管)を通って出てきます。唾液腺というと3つの大唾液腺がよく知られています。

耳の前から頬に広がる耳下腺、舌の裏側の根本深くにある顎下腺、口腔底深くにある舌下腺です。
耳下腺の管の出口は上の奥歯近くの頬粘膜に、顎下腺と舌下腺の出口は下の前歯の裏側の粘膜付近に開いていて、ホースから水が出るように唾液が分泌されます。
いわゆる唾液腺マッサージで押すことができるのは、これらの大唾液腺です。

ですが、お口の中には大唾液腺よりはるかに小さな小唾液腺が無数に存在し、頬や唇の粘膜をはじめ口の中の至るとことに分布しています。
大唾液腺とは違い、小唾液腺の唾液分泌量は少なく、全体の1割程度です。
しかし、この小唾液腺には見過ごせない大事な働きがあります。

唾液のさまざまな効能について

唾液にはお口を潤すだけでなく、さまざまな効能があります。
飲食により溶け出した歯のカルシウム成分を戻して歯を修復したり、お口の粘膜を保護・維持したり、抗菌作用をしめしたりもします。
そして食については、唾液は潤滑油としての働きや消化の促進に加え、味物質の伝達という役割をもちます。

味覚が働くのは唾液のおかげで、食べ物の味物質が唾液に溶け込んで、舌の味蕾にある味細胞にたどりつかないことには、正常に味を感じられません。
味覚障害は軽く考えられがちですが、おいしく食べられない影響はお年を召すほどに深刻になっていきます。

食事が楽しくなければ食事量が減り、選ぶ食品もワンパターンに。
それは栄養の偏りを招き、やがては低栄養、体力低下、フレイル、寝たきりへとつながりません。このように唾液が十分に分泌されないと、味覚障害やドライマウスにつながるわけです。

とくにドライマウスの症状に苦しむ方は若い方にも増えており、日本ではなんと約3000万人、4人に1人はいると推定されています。

お困りの際はご相談ください

年齢とともに口腔内の機能は低下しやすくなります。今現在の口腔内の機能はどのくらいなのか、1度検査をしてみてはいかがでしょうか。

参考資料nico2・4月号