杉並区下井草の顕微鏡歯科・予防歯科・未来型歯科:さくら歯科の吉村です。
公益社団法人東京都歯科医師会主催の“かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所”の施設基準のための研修会を受講してきました。
この「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」とは、平成28年4月より新設された制度です。歯科疾患の管理が必要な患者に対し、定期的かつ継続的な口腔の管理を行う診療所であって、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出たものをいいます。その目的は、「患者の口腔機能管理、摂食機能障害及び歯科疾患に対する包括的で継続的な管理を促し、地域包括ケアシステムにおける地域完結型医療の推進を図ること」です。言い換えると、来院者の方々の生涯にわたる安心・安全な治療を提供し、定期的なお口の検診や予防を図ることで患者さんの健康に寄与することができると認められた歯科医院が認可を受けることができます。
ちなみに…ですが、
[かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の施設基準]
施設基準
次の要件のいずれにも該当するものをかかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所という。
(1) 過去1年間に歯科訪問診療1又は2、歯周病安定期治療及びクラウン・ブリッジ維持管理 料を算定している実績があること。
(2) 次に掲げる研修をいずれも修了した歯科医師が1名以上配置されていること。
ア 偶発症に対する緊急時の対応、医療事故及び感染症対策等の医療安全対策に係る研修
イ 高齢者の心身の特性、口腔機能の管理及び緊急時対応等に係る研修 なお、これらの研修については、同一の歯科医師が研修を修了していることでも差し支え ない。また、既に受講した研修が要件の一部を満たしている場合には、不足する要件を補足 する研修を受講することでも差し支えない。
(3) 歯科医師が複数名配置されていること又は歯科医師及び歯科衛生士がそれぞれ1名以上配置されていること。
(4) 診療における偶発症等緊急時に円滑な対応ができるよう、別の保険医療機関との事前の連 携体制が確保されていること。
(5) 当該診療所において、迅速に歯科訪問診療が可能な歯科医師をあらかじめ指定するととも に、当該担当医名、当該担当医の連絡先電話番号、診療可能日、緊急時の注意事項等につい て、事前に患者又は家族に対して説明の上、文書により提供していること。
(6) 当該地域において、在宅医療を担う保険医療機関と連携を図り、必要に応じて、情報提供 できる体制を確保していること。
(7) 当該地域において、他の保健医療サービス及び福祉サービスの連携調整を担当する者と連 携していること。
(8) 口腔内で使用する歯科医療機器等について、患者ごとの交換や、専用の機器を用いた洗浄 ・滅菌処理を徹底する等十分な感染症対策を講じていること。
(9) 感染症患者に対する歯科診療について、ユニットの確保等を含めた診療体制を常時確保し ていること。
(10) 歯科用吸引装置等により、歯科ユニット毎に歯の切削や義歯の調整、歯冠補綴物の調整時 等に飛散する細かな物質を吸引できる環境を確保していること。
(11) 患者にとって安心で安全な歯科医療環境の提供を行うにつき次の十分な装置・器具等を有 していること。
ア 自動体外式除細動器(AED)
イ 経皮的酸素飽和度測定器(パルスオキシメーター)
ウ 酸素供給装置
エ 血圧計
オ 救急蘇生セット
カ 歯科用吸引装置
届出に関する事項
かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の施設基準に係る届出は、「別添2の様式17の2」を用いること。また、偶発症に対する緊急時の対応、医療事故、感染症対策等の医療安全対策、高齢者の心身の特性、口腔機能の管理及び緊急時対応等に係る研修を全て修了していることが確認できる文書を添付すること。
となります。かなりハードルが高いですが、地域の中核歯科医院としての機能を満たすことになるとすると仕方がないと思います。当院でもソフト面、ハード面でも強化をしていきたいと思います。
当日の講義内容は、
(1)高齢者の心身の特性、口腔機能の管理
オーラルフレイユは滑舌低下、食べこぼし、わずかなむせ、噛めない食品が増えるなどお口の衰えをいいます。サルコペニア(筋肉の衰え)について、認知症について
(2)高齢者に対する緊急時の対応について(機器等の操作方法を含む)
高齢者になると全身疾患(高血圧症、虚血性心疾患、腎臓病、糖尿病等)に罹患する可能性が高くなります。基礎的な知識について講義がありました。
(3)偶発症に対する緊急時の対応について(機器等の操作方法を含む)
気道異物についての対応、一時救命の手技について
(4)感染症対策について
安心で安全できる歯科医療の提供をもとめられている点、また医療法に基づく運営について
(補足)届出手続き及び算定方法について
AED・口腔外バキューム等業者展示・実演
でした。
また、「2020年末までに歯科開業医が取り組むべき方向性」について荒井昌海先生のお話を伺いました。今からの3年間で取り組むべき学術と経営の課題について、具体的にお話を伺いました。人口減少、高齢化社会に向けての取組み、IoT化、様々なお話を伺うことが出来ました。
まだまだ、さくら歯科でも出来ることがあります。
他にも、歯科商品の展示、販売会でしたのでお世話になっている方々に挨拶回りをしてきました。とても充実した一日でした。