歯科に来院した際、患者様から上がりやすい話題の一つが親知らずです。
「親知らずを抜きたいのだけど……」
「私の親知らず、抜いたほうが良い?」
他にも、親知らずが生えてきていて痛いと来院する患者様も多くいます。
前歯や手前側に生えている歯と比べて奥の方にあり見えづらく、そもそも完全に生えていない場合もあるのが親知らずです。
そのぶんお口の中でトラブルが起こりやすい歯でもありますが、そもそも親知らずとは何なのか、皆様はどこまで知っていますか?
「親知らず」とは
最後の永久歯、第三の大臼歯、なんていう呼ばれ方もします。
一般的に成人の方は、お口を上下左右4分割した各ブロックに7本ずつ、計28本の歯が生えています。(※もちろん個人差はあります!)
・前歯…顔に正中線を引いたとき最も中央にくる歯から3本分。
3番目の歯は犬歯とも言われる。
・小臼歯…前歯の隣から2本分。
・大臼歯…奥歯。小臼歯の隣から2本分。
上記で述べた28本の歯からは外れているのが親知らずです。
親知らずは一般的に大臼歯の更に奥に生えます。子供のころは歯茎の下に埋まっており、年の経過とともに段々と歯茎を押し上げて顔を出します。その生え方は様々で、真っすぐに生えてくる方もいれば、斜めに出てきて半分ほどしか見えない方、歯茎に埋まったままの方、元々親知らず自体がない方もいます。
お顔の輪郭(骨格・顎の形・歯並び)がある程度定まってきている成人に近い頃に生え始めるのが親知らずです。
歯が生え揃ったお口の中で、スペースがない状態で生えてくるため、半分生えて半分埋まった状態で出てきたり、隣の歯にぶつかるように生えてきたりすることが多くあります。
奥歯であるということ、表面に露出している部分が少ないことを原因に、磨き残しや汚れの付着が目立ち、虫歯や歯茎の炎症を起こしやすい歯でもあります。
歯が生えてくる際の歯茎を突き破る痛みのほか、お口の中のトラブル・痛みに繋がりやすい歯が親知らずです。ご自身でのケアが難しい分、歯科での専門的なチェックをしっかりしましょう。
【親知らずの疑問】
Q. 親知らずは抜いたほうがいい?
A.親知らずが原因でお口の中にトラブルが発生する場合、抜歯をおすすめいたします。
・親知らずが隣の歯にぶつかって生えている(隣の歯が虫歯になる可能性があります)
・親知らずが虫歯になっている
・親知らずに汚れが溜まっている
反対に、親知らずが上下で生え揃っており、正常な咬み合わせに貢献している場合等、残しておいた方が良いケースもあります。
Q.親知らずを抜くと小顔になる?
A.小顔効果を期待しての抜歯はおすすめできません。元々の輪郭が出来上がっている状態から生えてくるのが親知らずです。つまり、ご自身の顔の輪郭は親知らずに影響されていません。
ただ奥歯が一本なくなることで、噛む力が弱くなり、筋肉の衰えで顔が細くなるケースはあります。個人差、顎の筋肉の発達加減で状況は変わってきますので、最初から 顔を小さくする効果を期待しての抜歯はおすすめできません。
Q.親知らずの抜歯が難しいと言われた。どういうこと?
A.親知らずの生え方によるものです。
理由は複数ございますが、オーソドックスなものとして
① 親知らずが複雑に生えており、処置に工程が多く必要な場合
親知らずが斜め・水平にはえていたり、骨の下まで埋まっている場合、歯茎を切開したり、骨を削る可能性があります。大がかりな手術となるので、そのぶん術中の痛みが予想されます。
設備が整っている大学病院で行った方が安全な場合や、痛みに弱い方には鎮静法を用いての麻酔など、大きな病院でないと難しい対応が必要となる場合があります。
② 親知らずの根の部分が顎を通っている神経と近い場合
特別に複雑な生え方をしていなくても、親知らずの根っこの部分が顎の神経に近い場合は、大学病院での抜歯を推奨しています。
歯を抜く際に、神経に触れることで、後々に麻痺が残るリスクがあるためです。
親知らずは、ご自身では目視しづらく、またどういったものなのかも曖昧に捉えていらっしゃる方がほとんどです。
お口の中の大事な大事な歯を守るためにも、ぜひ歯科へ検診・チェックにいらしてください。
参考 2021.3 nico QUINTESSENCE PUBLISHING
2021.4 さくら歯科通信
青梅市東青梅駅7分 近藤歯科医院|無痛・丁寧・誠実な歯医者
日付: 2021年4月5日 カテゴリ:さくら歯科通信